コウガヨウの思い出
高校生の時に読んだ「墨攻」というマンガに、高賀用という若い武将が出てきて、天下を獲ると鬨を挙げて突入し、一矢にすぐ死ぬ、いわゆるザコ武将だった。 ぼくは時々、自分がこの「コウガヨウ」ではないかと考えることが16歳以降何度もあった。 そういうぼくも今年無事46歳を迎え、中年になり真っ盛りかもしれない。 ありがたいことに一度立ち消えたような情熱も死んではいなかった。 時々、情熱に火が点き、心は燃える。若い頃のようにノンストップではないが、19歳、20歳、21歳と何度でも立ち上がった頃の気持ちを忘れていない。 ぼくには天下獲りは無用なことに思えた。 あるいは手に入らなかったものを諦める準備だけはしていたのかもしれない。 南無阿弥陀、南無阿弥陀仏。 とても凡庸な願いを願う、そういう下降を妙趣とぼくも生きるのだろうか。